筋肥大をするためには、栄養面で9種類ある必須アミノ酸がバランスよく入っている食材を選ぶのが良いです。
では9種類の必須アミノ酸がバランス良く入っている食材はどうやってわかるのでしょうか?
それはアミノ酸スコアの数値でわかります。
アミノ酸スコアとは
食品中のタンパク質を必須アミノ酸の組成から評価する方法が、アミノ酸スコアである。
食品中のタンパク質の必須アミノ酸含有量をそれらの※評価パターンと比べて、それよりも低い値のアミノ酸を制限アミノ酸という。制限アミノ酸の中でも最も不足しているアミノ酸(第一制限アミノ酸という)含有量が、そのアミノ酸のアミノ酸評点パターンの何パーセントになるかがアミノ酸スコアで示される。制限アミノ酸がない場合は100となり、100に近いものを「良質なタンパク質」という。
※評価パターン=9つの必須アミノ酸それぞれの100となる基準の数値
Ⅲ栄養指導 厚生労働省より抜粋
食品のアミノ酸スコア
食品 アミノ酸スコア | 食品 アミノ酸スコア | 食品 アミノ酸スコア | 食品 アミノ酸スコア |
鶏卵 100 | 牛肉 100 | あじ 100 | 精白米 65 |
牛乳 100 | 鶏肉 100 | いわし 100 | パン 44 |
豚肉 100 | さけ 100 | じゃがいも 73 | |
まぐろ 100 | とうもろこし 31 |
牛肉、鶏肉、豚肉などの肉類はいずれもスコア100、魚類、卵、牛乳、大豆なども100です。この表から必須アミノ酸を含んだ良質なタンパク質を摂るのであれば、パンやとうもろこしを食べるよりも卵や肉や魚を摂った方が必須アミノ酸がバランスよく含んだ良質なタンパク質が摂れる事がわかります。また上記以外で大豆はアミノ酸スコアが100の良質な植物性タンパク質です。アミノ酸スコアが低いスコアの食材でも別の良質のタンパク質の食材を一緒に摂れば、食材同士で補うことが出来ます。例えば、ご飯と納豆を摂れば精白米の65というアミノ酸スコアを納豆(大豆)のアミノ酸スコア100で補う事ができます。
プロテイン、卵、牛肉、大豆タンパクはPDCAASでも高いスコア
PDCAAS(タンパク質消化吸収率補正アミノ酸スコア)
分離大豆タンパク 1.00
ホエイ(乳タンパク) 1.00
カゼイン(乳タンパク)1.00
卵(卵白) 1.00
牛肉 0.92
大豆タンパク 0.91
※分離大豆タンパクとは、大豆タンパクからタンパク質だけを抽出したもの
FAO(国連食糧農業機関)/WHO(世界保健機関)による評価データ)
アミノ酸スコアには1990年よりWHOが推奨している「PDCAAS」=タンパク質消化吸収率補正アミノ酸スコア という新たな評価基準があり、評価基準に消化吸収率が加味され、アミノ酸の含有バランスだけでなく、そのタンパク質がどれだけ吸収され、身体の中で利用されるかを評価しています。プロテインの原料となる乳タンパクや分離大豆タンパクは満点評価、食材では卵や牛肉と並んで、ここでも大豆が高いスコアとなっています。
動物性タンパク質と植物性タンパク質をバランスよく摂る事が大切
アミノ酸スコア100のお肉、自分も好きです。自分と同じようにお肉が好きな人は多いと思いますが、動物性タンパク質と共にお肉には動物性脂肪(飽和脂肪酸)が含まれており、過剰に摂取してしまうと動脈硬化になる可能性があります。それじゃあ、脂身を取れば良いんでしょと思うかもしれませんが、牛肉や豚肉を含む赤身肉・特に加工肉には発がん性があることが分かっています。日本人は欧米人に比べて肉の摂取量が少ないので欧米人に比べれば、そこまで心配しなくても良いと思いますが、やはり過剰摂取は控えた方が良いと思います。
また、日本の様々な地域にお住いの40~69歳の方々、7万人を追跡調査した研究結果によると摂取エネルギーに対する植物性たんぱく質の割合が多いほど、死亡全体のリスクの低下が見られたそうです。
死因別に検討してみると、植物性たんぱく質の割合が高い人ほど、循環器疾患死亡、心疾患死亡、脳血管疾患死亡のリスクが低いことが分かったそうです。
【多目的コホート研究(JPHC Study)動物性・植物性たんぱく質の摂取と死亡リスクとの関連】
https://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/8289.html
上記の事から、大豆などの植物性たんぱく質を意識的に摂取することが病気を遠ざけ、健康に繋がる可能性は大いにあります。
必須アミノ酸を摂取するために、お肉に偏ることなく、植物性タンパク質や魚などもバランスよく摂取して、健康を維持して行きたいものですね。