血糖値は血液中のブドウ糖の濃度の事で、ブドウ糖を含んだ糖質を摂った飲食後に血糖値が上がります。血液中のブドウ糖の濃度が上がると血液がドロドロになり、血管を痛める危険な状態になってしまうので、血糖値が上がると一定に保とうと下げる働きをするホルモンがインスリンです。インスリンは血糖値に唯一反応するホルモンです。食後に血液中に放出されて濃度が上がったブドウ糖を全身の細胞にエネルギー源として取り込ませることで食後に上がった血糖値を下げます。それでも余ったブドウ糖はグリコーゲンとして筋肉や肝臓に蓄えられます。更に筋肉や肝臓のグリコーゲンが一杯になるとインスリンはブドウ糖を中性脂肪に変換して脂肪組織や肝臓に蓄えられます。このように食事によって血糖となって摂り込まれたブドウ糖が高血糖にならないように代謝を調節しています。
インスリンの働きで肥満にならないために
インスリンの働きとして
①血液中のブドウ糖を全身に取り込む働き
②筋肉や肝臓にブドウ糖をグリコーゲンとして蓄える働き
③ブドウ糖を中性脂肪に変換して肝臓や脂肪細胞に蓄える働き
以上の3つの主な働きをお話しました。(厳密にはほかにもインスリンの働きはあります)
肥満にならないためには③のインスリンの働きに気を付ける必要があります。
なぜなら、糖質の摂り過ぎや急激な血糖値の上昇は身体を守るためにインスリンの③の働きが行われてしまいやすいからです。
肝臓に中性脂肪が必要以上に蓄えられれば脂肪肝になってしまいます。脂肪細胞に中性脂肪がどんどん蓄えられれば肥満になってしまいます。肥満や脂肪肝にならないためには③の働きが行われないように普段から糖質の摂り過ぎや急激に血糖値が上がらないように飲食に気を付けることが大切です。
それから③の働きをさせないためにも、普段から身体を動かす運動やトレーニングを行うことでエネルギー消費したり、筋肉や肝臓のグリコーゲンを消費していることで、③の働きをしずらくすることにもつながります。
運動不足が肥満の原因になるのはここにも繋がってきます。
糖尿病にならないためにはインスリンが正常に機能することが大切
身体にとって非常に危険な高血糖状態が慢性的に続いてしまうのが糖尿病であり、血糖値が慢性的に常に高い状態であると言えます。健康な人は、血糖値が上がってもインスリンが正常に働く事で各細胞器官にスムーズな糖の取り込みや貯蔵が出来ます。これにより、食後一時的に血糖値が上がっても血糖値を下げることができるので常に高血糖状態にならずに済みます。しかし体質からの遺伝的要因と生活習慣による環境的要因が複合的に影響して、インスリン不足やインスリン抵抗性が引き起こされてしまうとインスリンが正常に機能しなくなってしまい、高血糖状態を回避することができなくなり糖尿病を発症してしまいます。血糖値を調節しているインスリンが正常に働くことで、ブドウ糖が全身でエネルギーや貯蔵として取り込むことができ、健康な身体を維持することができるのです。